この研究のポイント
人物画像の性別を判断する観察者の視線分布に基づいて、ランダムフォレストの学習に重みを付けます。背景の偏りに頼りすぎず、性別の認識に役立つ領域の特徴を利用することを目指します。

概要
人物画像から性別を分類する学習では、人物の周りの背景に偏りがあると、機械が背景を判断の手掛かりにしてしまうことがあります。すると、別の背景で撮影された画像では分類の精度が下がることがあります。本研究では、人が人物画像を見て性別を判断するときに、どこを見ているかを利用して、この問題の改善を目指しました。
視線が多く集まる場所を地図のようにまとめ、その場所を重視して学習させます。使うのは、小さな判断の仕組みを多数組み合わせて分類する「ランダムフォレスト」です。人がよく見る領域の情報が、分類に生かされるようにします。
重視する方法として、使う情報の選び方、情報の数値、判断を分ける基準の三つを比較しました。公開データセットでの実験では、判断を分けたときに分類がどれだけ明確になるかを表す「情報利得」に、視線に基づく重みを付ける方法が有効でした。比較した既存のランダムフォレストより分類精度が高まり、その差は統計的にも確認されました。
発表文献
- 山口 紗也加, 西山 正志, 岩井 儀雄,
視線位置分布を用いた重み付きランダムフォレストによる性別認識,
電子情報通信学会論文誌 D, Vol.J102-D, No.8, pp. 495 - 505, August 2019. - Sayaka Yamaguchi, Masashi Nishiyama, Yoshio Iwai,
Weighted Random Forest using Gaze Distributions Measured from Observers for Gender Classification, Proceedings of 14th International Joint Conference on Computer Vision, Imaging and Computer Graphics Theory and Applications (VISIGRAPP), Vol. 5: VISAPP, pp. 273 - 280, February 2019. - 山口 紗也加, 吉村 宏紀, 西山 正志, 岩井 儀雄,
視線位置分布を用いたランダムフォレスト改良による人物性別の認識,
画像センシングシンポジウム (SSII), IS3-28, pp. 1 - 5, June 2018. [優秀学術賞]