この研究のポイント
複数のカメラで得た同一人物の顔画像を集合として統合し、人物ごとの分布を作ります。画像1枚ずつではなく分布どうしを照合することで、移動に伴う顔の向きや照明の変化に対応します。

概要
人が集まって移動している場面では、顔がほかの人に隠れたり、向きや明るさが変わったりするため、顔認識が難しくなります。この研究では、複数のカメラを使って正面に近い顔を捉え、同じ人の顔画像をまとめて判断する方法を提案しました。
1枚ずつの画像を照合する代わりに、複数のカメラで撮影した顔画像を集め、その人の顔がどのように見えるかの幅を表します。新しく撮影した画像の集まりと、あらかじめ登録した人の画像の集まりを比べることで、向きや照明が少し変わっても同じ人を見分けやすくします。この仕組みを「階層的画像集合照合」と呼びます。
349人を含む映像で評価したところ、画像を1枚ずつ照合する方法や、1台のカメラだけで集めた画像を使う方法よりも高い認識性能が得られました。複数の視点と複数の画像を組み合わせることが、移動する人の認識に役立つと示されました。
発表文献
- Masashi Nishiyama, Mayumi Yuasa, Tomoyuki Shibata,
Tomokazu Wakasugi, Tomokazu Kawahara, and Osamu Yamaguchi,
Recognizing Faces of Moving People by Hierarchical Image-Set Matching, Proceedings of IEEE Computer Society Workshop on Biometrics, pp. 1 - 8, June 2007. [Best Paper Award]
発表文献(日本語)
- 西山 正志, 湯浅 真由美, 柴田 智行, 若杉 智和, 山口 修,
顔画像の階層的な対応付けを用いた複数歩行者の認識,
電子情報通信学会論文誌 D, Vol. J90-D, No. 8, pp. 2191 - 2201, 2007. - 西山 正志, 湯浅 真由美, 若杉 智和, 柴田 智行, 山口 修,
断片的な動画像の対応付けを利用した歩行者認識,
第12回 画像センシングシンポジウム (SSII), pp. 231 - 238, June 2006. [優秀論文賞]