この研究のポイント
異なる脳領域の信号間の位相遅延指数を求め、その分布をヒストグラムで表します。長時間の脳波記録から取り出した短い信号を用いて、発作時と非発作時を識別します。

概要
脳の活動は、頭に付けた電極で「脳波」として記録できます。本研究では、てんかん患者の長時間の脳波記録から、発作が起きているときと起きていないときの信号を、コンピュータで見分ける方法を調べます。
注目するのは、一つの場所の波形だけではなく、異なる場所で計測した脳波のタイミングの関係です。その関係を数値で表す指標の一つに「位相遅延指数」があります。提案手法では、長い記録から短い区間をランダムに取り出し、複数の場所の信号からこの指標を計算します。さらに、どの値がどれくらい現れるかをヒストグラムとしてまとめ、発作時と非発作時を見分ける手掛かりにします。
公開されているCHB-MIT Scalp EEGデータベースを使って検証し、この方法で発作時と非発作時の脳波を識別できることを示しました。複数の場所の脳波の関係をまとめることが、信号の違いを捉えるうえで役立つと分かりました。
関連文献
- Masayoshi Oguri, Tetsuya Okazaki, Tohru Okanishi, Masashi Nishiyama, Sotaro Kanai, Hiroyuki Yamada, Kaoru Ogo, Takashi Himoto, Yoshihiro Maegaki, Ayataka Fujimoto,
Phase Lag Analysis Scalp Electroencephalography May Predict Seizure Frequencies in Patients with Childhood Epilepsy with Centrotemporal Spikes,
Yonago Acta Medica, Vol. 66, No. 1, pp. 48 - 55, February 2023. - Masashi Nishiyama, Yoshio Iwai, Masayoshi Oguri, and Yoshihiro Maegaki
Phase Lag Index Histogram Features for Identifying Epileptic Seizure EEG Signals, Proceedings of IEEE 10th Global Conference on Consumer Electronics (GCCE), OS-HPL, pp. 167 - 170, October 2021.