研究の概念
写真を色の変化が比較的単純な局所領域の集まりとして捉え、配色の調和を特徴にします。複雑な配色を持つ写真についても、その美的品質を分類できるようにします。

概要
美的品質の分類は,大量の写真を整理する上で重要な役割を果たします.特に配色調和は,写真を見たときの品質の印象を決めるさまざまな側面の中でも重要な要因であり,美的品質の自動分類の性能を向上させるには,これを考慮する必要があります.しかし,既存の配色調和モデルは,少数の色からなるパッチなど,単純な配色パターンしか考慮しておらず,複雑な配色を持つ写真の評価には使えません.本研究では,美的品質の分類に着目し,写真の配色調和を評価する難しい課題に取り組みます.重要な着眼点は,写真を,色の変化が比較的単純な局所領域の集まりとして捉えられることです.これに基づき,写真の配色調和から美的品質を評価する「bags-of-color-patterns」と呼ぶ手法を開発しました.ユーザによる美的品質の評価得点が付与された大規模な写真コレクションでの実験により,写真の配色調和を明示的に考慮する提案手法は,既存手法を上回ることが示されました.また,配色調和の特徴に,写真の美的特性を反映するぼけ,エッジ,顕著性の特徴を組み合わせることで,分類性能が向上することも示されました.
発表文献
- Masashi Nishiyama, Takahiro Okabe, Imari Sato, and Yoichi Sato,
Aesthetic Quality Classification of Photographs Based on Color Harmony,
Proceedings of IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern (CVPR), June 2011.
発表文献(日本語)
- 西山 正志, 岡部 孝弘, 佐藤 いまり, 佐藤 洋一,
審美的品質識別のための局所領域の組合せによる色彩調和の評価,
電子情報通信学会論文誌 D, Vol.J94-D No.8 pp.1324-1334, 2011.