この研究のポイント
身体動揺の映像を、微小な動きの時間変化と身体の見えに分離します。動きの高周波成分を増幅し、画像の乱れを抑えながら、肉眼では分かりにくい揺れを可視化します。

概要
立っている人の体には、目では分かりにくいほど小さな揺れがあります。この研究では、その中でも短い時間に繰り返す速い揺れを、映像上で大きくして見やすくします。従来の方法では、動きだけをうまく取り出せず、拡大した映像に不自然なゆがみや乱れが生じることがありました。
そこで、頭部の画像内では、各部分が共通する小さな動きをしていると仮定します。この仮定を使って、映像を「時間とともに変わる動き」と「体がどう見えるか」に分け、速い揺れの成分だけを増幅します。速い揺れは、専門的には時間方向の高周波成分と呼ばれます。
実験では、画像の乱れを生じさせずに身体動揺を強調し、元の映像では見えにくい速い揺れを観察できました。また、身体の揺れから手荷物の軽重を見分ける研究に応用し、その判断が成功した場合と失敗した場合の理由を映像で示しました。
関連文献
- 我那覇 航,神谷 卓也, 西山 正志, 岩井 儀雄,
身体動揺に含まれる高周波成分の可視化のための運動拡大を用いた映像生成,
精密工学会誌, vol. 88, no. 12, pp. 926 - 936, December 2022.